nagomusiの染め織り日記

大分県由布市で、染め織りの体験教室をやっています。

剣太君のこと

私の竹馬の友(竹馬はしてないけど?)ワタナベカズミさん(AIDENALかアイデナルで検索してください)
の時空を超えた活動をまずはまわりの友達に知って欲しくて、
私の工房でお話の会を開きました。


ひとつはカズミさんら有志で立ち上げた「剣太の会」のこと。
前々からお話だけは聞いていた2年半前に竹田高校剣道部で
悲しい死にいたった17歳の剣太君のこと。
ここに剣太さんのお母さんが来てお話をしてくださると聞いた時は
正直どきっとしてしまった。
想像を絶するような苦しみを味わってきただろうご本人からの生のお話。
二度と会うことのできないわが子。生涯癒えることのない悲しみをしょって
もうこのようなことが起きてはならないと竹田からお話に来てくださいました。


剣太君は真夏の部活日に、顧問により指導という名の暴行をうけ続け、熱射病になり
運ばれた病院でも適切な処置をしてもらえず、亡くなりました。
水もとらせてもらえず、防具もとらせてもらえず、命の限界にある剣太君にリンチ紛いの暴行。
消えゆく意識の中で剣太君が最後に聞いた言葉は、非道な顧問の「演技をするな!」でした。
そして、その現場には副顧問もいながら、それを止めることができませんでした。
お父さんが剣道の指導者だったこともあり、小学一年生からまじめに剣道をしてきた剣太君。
家族にも周りからも愛されて親思い、弟妹思い、友達思い、
道行くおばあちゃんの重い荷物をさっと持ってあげられるような素敵な17歳。
当日は彼女と花火を見に行く予定でした。彼女は剣太君を喜ばせようと
こっそり甚平をプレゼントするつもりでした。

一瞬にして、若葉は刈られてしまいました。
花がさくことも、実がなることもできず。
種をまき、芽がでて、365日、17年間、毎日毎日大事にそだててきた命でした。


ある日突然に息子を失ったら。しかも息子は教育者といわれる人の手により
苦しみながら死んでいった、ということがわかったら。
剣太君には同じ剣道部にひとつ下の弟がいて、頼りになる大好きな兄の最後を
現場で一部始終見続けなければなりませんでした。
彼のうけた傷もまた想像を絶するものです。
ずっとがまんをしていた彼も、お通夜にきた顧問に
「お前は剣太の防具のないところばかり狙って打ちよったじゃねーか!お前が剣太を殺したんや!」
泣き叫びながら拳をふりあげる弟。彼の心は到底いえるものでなく
他の学校に転学しました。
一緒に剣道をしてきた小学6年生だった妹も、大好きな兄が突然いなくなってしまいました。
だれも竹刀を握ることができなくなった家族。


胸の締め付けられる思いで、お母さんのお話を聞いていました。
剣太君の死後、剣道部の生徒たちに何がおきたかの記録をとっていったご両親。
それはまた地獄のような作業だったとおっしゃってました。
愛してやまない息子の最後。悲痛な最後を知る作業。
ひとりの生徒の証言を聞くと、3日ほどは何もできない、放心状態になったと。


「我が子の葬儀を出すほどの地獄はありません。ですから私たちは全ての子供を守りたいのです。」
今、ご両親はこんなに早く天国に行った剣太君が、何かお役目をもって生まれてきたのだと信じ、
彼の死を通じて、命のこと、当たり前の生活がどれほどありがたいことかを伝えてくださってます。
これだけのことをしておきながら、顧問は停職6か月、副顧問は停職2カ月。
ここにもメスをいれなければまた同じようなことが繰り返されると
刑事告訴をし、民事でも裁判中です。
そして、学校事故事件の被害者の会の方々と手をとりあい
二度と学校の現場で子供が犠牲にならぬよう様々な努力をされています。


詳しいことをお知りになりたい方は、剣太の会事務局の連絡先をおつなぎいたしますので
増野までご連絡ください。090−5285−4327
剣太君の冊子「もう頑張らなくていいよ」等様々な資料あります。
この日のお話会写真はカズミさんのブログにでています。
「アイデナル」で検索して下さい。2012.3.2のブログです。